なんにもない

大船渡を見たあと
やはり
いまだに
被災状況を見ていない
陸前高田へ・・・

写真は
陸前高田市の
被災した
市役所から
見渡した風景。


なんにも
ありません。


鉄筋コンクリートの
建物は
いくつか
残されているものの。


なにもない・・・
どこまでも・・・
はてしなく・・・


この規模は
初めてです。


石巻でさえ
焼け焦げた小学校
なぎ倒された墓石
が見え・・・


その向こうに
日和山など
高台が
あります。


逃げる目標が
それなりに
見えます。


しかし
陸前高田は
逃げると言っても
高台が
はるか遠い。


真っ平らな
地形が
広がっています。


高齢者などは
逃げる前に
あきらめた人も
いただろうなと
思ってしまう広さ。


女川などに並び
人口に対する
死亡率が
高いわけです。


市庁舎前の
母子像も
その後ろの
桜の樹も
もちろん
跡形も
ありません。


一年前
宮古市田老町に
立ったときと
同じ感覚です。


言葉を
失いました。


しかし
田老、女川のときよりも
ただただ
茫然とする
自分がいます。


自然の驚異
痛感します。


それでも
ひたすら
その光景を
目に焼き付け
写真を
撮りつづけました。


手付かずの
下水機能は
昨日の雨を
対応しきれず
そこここが
大きな水溜まり。


いや
どこまで湖。


絶望さえ
感じてしまうほどです。


どの車も
大きな水しぶきを
あげて
走って行く。


自分が
どこに
立っているのか
わからなくなる
ショックでした。


それでも
車のナビは
指示どおりの場所へ
連れていってくれます・・・


『右手周辺が目的地です』


目的地に
設定した
「酔仙酒造」は
跡形もありません。


確実に
酒造があったであろう
場所の背には
最大の避難所と言われる
高田一中。


桃の樹が
今年も
ピンクの花を
咲かせています。