あの日の場所へ・・・

2012年末に
南三陸町、仙台市荒浜に
つづいて
足を向けた
名取市閖上の
閖上中学校・・・


校舎の時計は
いまもなお
14時46分で
止まったまま。
（写真）

2011年3月11日
14時46分・・・


私は
昭島市議会の
予算審査特別委員会の
真っ最中だった。


あの日
今までにない
長く、強い揺れが
つづき・・・


予算審査は
急きょ
「暫時休憩」となった。


議員控室に戻り
テレビニュースを
つけた。


日本列島の
東北の三陸地方が
赤く示され・・・


「津波が来ます。避難してください」と
アナウンサーの声が
エンドレスで
流れつづける。


それを見ながら
それぞれが
家族や
周辺の人との
安否確認を
行っていた。


数十分後
東北地方に
大津波が
やってきた。


見たこともない
大きな真っ黒い壁が
みるみるうちに
畑を、家屋を、車を
のみ込んでいく。


のみ込んだ瓦礫で
大津波は
ますます
大きく黒く
得体の知れない
怪物のようになって。


宮城県の
仙台空港が
映っている。


宮城県名取市や
仙台市周辺の
街が
みるみるうちに
消えていった。


私は
おそらく
いまにも
泣きそうな顔で
街がのまれていく
その光景を
ただただ
見続けることしか
できなかった。


その場所が
ここだ。


名取市閖上に
2012年末
行ってきた。


写真の
閖上中学校をめざし
大勢の人が
津波から
逃れるために
走り続けた。


そして
犠牲になった人も
多くいる。


閖上中学校の
在学生も
14人が
犠牲になった。


校門前には
献花台が
設置されている。


人は
誰もいなかったが
火のついた
お線香が
何本も立っている。


自転車に乗って
一人でやってきた
10代くらいの少年と
入れ替わりで
閖上中を
あとにした。


中学校の
目の前のお宅の
白いカーテンが
ゆらゆらと
揺れている。


主のいない
家屋に
洗濯物が
ぶら下がったまま。


人の気配のない街に
確実に
生活のあとが
残ったまま。


復興の進まない街に
雪が
チラついてきた。