ヒロシマでの出会い

広島の地で
忘れられない
出会いがあった・・・

名前も
住んでいるところも
知らない。


直接
話をしたわけではない。


おそらく
就学前であろう
小さな子が２人の
４人家族。


時間が空いたので
一人で参加した
企画に
その家族も
来ていた。


ひとつ前の
ブログ記事で
紹介した
国立広島原爆死没者追悼平和祈念館の
企画だ。


「被爆体験記朗読会」
８月５日と６日の
２日間だけ
行われている。


小さな部屋で
数えるほどの
参加者だった。


私のように
個人参加している
人ばかり。


埼玉から
訪れたという
小学生の団体が
１０名ほど。


全部で
２０名くらいだろうか。


３人の朗読者が
２つの
被爆体験記を
朗読する。


その後
参加者も一緒に
原爆詩を
朗読する。


最後に
朗読をあてられたのは
前述の
４人家族の
お母さんだった。


詩の朗読はせずに
なにやら
話し始めた。


福島から
来たそうだ。


お母さんは
声が
ふるえている。


「なぜ、いままでここ（広島）に来なかったのか。とても後悔しています・・・」
と、話し始めた。


「私は、福島原発で働いていました。放射能が人間に与える影響も知っていました。わかったうえで働いていました。ヒロシマ、ナガサキから発信されている被爆者の、皆さんのメッセージを無視しつづけてきました。そして、福島原発事故が起き、自分も含め多くの人の故郷が奪われました。なぜ、今までヒロシマ、ナガサキの地を訪れなかったのか、とても後悔しています。ここに来なければ、あまりにも伝わらないことが多くあります。」


そして
お母さんは
朗読会に
参加していた
埼玉の
小学生の方を向き
言いました。


「みなさんにお願いがあります。私はこれから、あなたたちと同世代の子どもを持つ親として、子どもたちを守るためにできることをします。みなさんは、本当に正しいことは何なのか、見失わずに成長していってください。大人たちが間違っていることをしていたら、何かおかしいよね?と言える人になってください。私のように見てみぬふりをしないでください。」


お母さんは
自らの葛藤と
苦しみ、決意を
その日
偶然、居合わせた
見ず知らずの
私たちに話した。


今まで
広島、長崎を
訪れなかったことを
後悔し・・・
家族旅行で
広島の地を選んだ。


フクシマの叫び。


ヒロシマとナガサキ・・・
フクシマ・・・


出発点は違うが
どんな形であれ
「核」の被害をなくす
という一点で
共鳴している。


固く固く・・・


ノーモア　ヒロシマ。
ノーモア　ナガサキ。
ノーモア　ビキニ。
ノーモア　フクシマ。