派遣村を忘れない。

都知事選挙・・・
さまざまな
候補者が
立候補しています。

告示日当日の朝
昭島市内の
公営掲示板に
張り出されていたのは
４候補でした。


なんらかの
組織がついて
たたかっている
有力４候補
ということでしょう。


日本共産党、社民党、緑の党らが
推薦する
宇都宮けんじ氏。


自民党、公明党が
推薦する
舛添要一氏。


小泉元首相が推す
細川護熙氏。


それから
田母神氏。


宇都宮けんじさんの
顔を見ると
私は
2008年12月31日のことを
かならず
思い出す。


日比谷公園に
年越し派遣村が
開設された日だ。


市民の手によって
開設された。


その派遣村開設の
中心人物であり
名誉村長が
宇都宮けんじさんだった。


私は一人
電車に乗って
日比谷公園の
年越し派遣村へ向かい
見ず知らずの人の中で
ボランティアをした。


あの日
村民（職と住まいを失い路頭に迷った労働者たち）に
提供された
夕食は
鶏肉の年越しそば。


寒空の下に
放り出された
労働者のみなさん
300人に（その後500人に）
一人ひとり
夕食を手渡す。


「すみません」
「ごめんなさい」
と言って
夕食を受け取る
労働者たち。


大企業の横暴と
それを
あと押しした
自民党政治・小泉構造改革によって
「自己責任」を
押しつけられ
絶望の淵に立たされた
彼らの姿を
私は
一生わすれない。


『人間としての誇りを奪われた』
『自殺も考えた』
との声が渦巻き
「貧困」が
目に見える形で
つきつけられたのだ。


その最大の元凶は
「改革なくして成長なし」
「痛みに耐えれば明日はよくなる」
のフレーズで
小泉さんが
首相だったときの
「小泉構造改革」だ。


派遣村に象徴される
「使い捨て」労働の
深刻な広がりは
「構造改革」の名による
リストラの促進や
労働法制の規制緩和が
もたらしたのだ。


1999年
自民、公明、民主、社民などの各党が
賛成した
労働者派遣法改悪は・・・
派遣労働を
原則自由化し
「派遣」という形での
「使い捨て」労働の増加に
拍車をかけた。


そして
2003年には
当時の小泉内閣が
企業が
リストラすればするほど
減税するという
「産業再生法」を延長・改悪し
大企業の
リストラを後押し。


一方
2004年3月からは
製造業への
派遣を解禁した。


この中で
もともと危惧されていた
派遣労働者の
労災被害が増加した。


「ネットカフェ難民」という
言葉が飛び交い
インターネットカフェで
寝泊まりしながら
「日雇い派遣」で働く
若者の姿が
「貧困層」の広がりの
象徴となっていった。


2008年の秋
米国の金融危機に
端を発して
景気悪化を口実にした
「派遣切り」「期間工切り」「雇い止め」
が、大企業の製造業を中心に
はじまった。


被害は
日増しに広がり
社会問題になった。


そして
職と住まいを奪われた労働者が
年越し派遣村に
500人という規模で
集まったのだ。


景気のいいときには
正社員を
派遣や期間工に置き換えて
景気が悪化したら
モノのように使い捨てる。


この大企業の
横暴勝手のしくみを
つくりだしたのが
「小泉構造改革」だった。


2008年の冬
年越し派遣村が
開設された当時は
麻生政権だった。


本来なら
厚生労働省が行うべき
「年越し派遣村」について
その村民を
誹謗中傷した
当時の厚生労働大臣は
「舛添要一」氏だ。


私は
小泉さんの顔を見ても
舛添さんの顔を見ても
思い出す。


「年越し派遣村」で
『ごめんなさい』と言って
私の手から
食事を受け取った
労働者たちの姿を。


うつむいた背中を。
落ちた肩を。
震える手を。
「ごめんなさい」のか細い声を。


彼らの尊厳を
奪った政治を
ゆるさない。


人間の生命や健康は
人間の尊厳の根本だ。


そこに
格差をつけることが
絶対に
あってはならない。


その「生命行政」を
真に
追求できるのは誰か。


都知事は
宇都宮けんじさんしかいない。