「あと〇〇日」という、非情

地上デジタル放送への
完全移行まで
すでに
一カ月を切った。

7月1日からは
まだ移行していない
アナログテレビには
画面の左下に
「アナログ放送終了まで　あと　〇〇日」
と、カウントダウンが
始まった。
（写真）


この表示に
1万7千件もの
抗議が
殺到したと
数日前の
ニュースで
報道していた。


私の部屋のテレビは
地デジ対応のため
どういうことなのか
あまり
よくわからなかったが・・・


先日
アナログテレビを
使っている友人宅で
驚いた。


これは
『苦情が殺到するはずだ』
と。


カウントダウン字幕の
おかげで
放送されている番組の
字幕が
見えなくなっている。


写真の番組は
「被災地に生きる外国人　俺は故郷・釜石のために」
とのタイトルが
画面右上にあるのが
わかる。


被災地の
復興支援にむけて
みんなで頑張ろうという
ドキュメンタリー番組だ。


私の両親は
岩手出身で
兄は
釜石で
生まれた。


私にとっても
「釜石」という地名は
昔から
なじみがある。


その釜石が
今回の
震災で
甚大な被害を
受けた。


そして
その惨状に
外国人のラガーマンが
ラグビーを通して
被災地のみんなを
元気づけたい。
力になりたい。
と、奮闘する姿を
映し出している。


『（最高）のパフォーマンスで、（釜石）のみんなを元気づけたい』
『（釜石）の人はみんな、〇〇（隠れて読みとれない）のように接してくれるんだ』
※カッコ内の言葉は、隠れて読み取れず、私の推測


外国人のラガーマンは
もちろん
英語で話している。


字幕が読めなければ
何を言っているのか
まったく
通じないのだ。


ひどい。
これは、本当にひどい。


友人は
数日前まで
『7月24日に、アナログ放送が終了する歴史的瞬間を見届けてから、地デジ対応をとるかどうするか判断する』
と、考えていたそうだ。


この
カウントダウン字幕で
一気に
怒りが爆発し
『もうテレビを見ないことに決めた』
と、言っていた。


30分におよぶ
抗議の電話を
テレビ局に
かけたという。


抗議せずに
いられなかったという。


それも
そのはずだ。


友人は
岩手の出身なのだ。


この番組を
楽しみにしていたのだ。
録画予約をしていたのだ。


震災で
津波で
犠牲となった知人もいる。


懸命に
被災地であり
故郷である地の
復興を
願っているのだ。


『ここまでするのか！』
と、言った。


地デジ移行していない
別の友人が言った。


『こういうやり方は、脅迫だ』
と・・・。


人間を
人間と見ない
やり方に
思えてならない。


前出の友人たちが
そろって言った。
『菅直人だもんな・・・』


1万7千件を超えての
苦情殺到。
当然であり・・・
政府は
すぐに改善すべきだ。


地デジ移行も
遅らせるべきだ
と、思わずにいられない。