とりもどす。

「遺体の復元ボランティア」
・・・
写真の記事は
しんぶん赤旗の
日曜版（9月2日付）です。

死者の顔に
生前の面影を
取り戻す・・・


東日本大震災の
大津波に
襲われた
犠牲者の遺体を
復元していった
納棺師がいます。


記事の写真の
女性です。


岩手県北上市の
納棺師
笹原留似子さん（40）。


変わり果てた
遺体に
生きていた頃の
安らかな笑みを
取り戻す・・・


髪の毛にからまった
藻や砂粒を
ひとつずつ
取り除き・・・


傷口を埋め
マッサージで
顔の血色を戻す・・・


「笑いじわ」を
探り出し
生前の
にこやかな面影に
近づける・・・


生前の面影に
遺族ははじめて
その「死」を直視し
受け入れることが
できるように
なるといいます。


「こんなのお父さんじゃない！」と
父親の「死」を
認めない
小学生の男の子は
生前の面影を
取り戻した遺体に
たくさん
話しかけたと言います。


生後10日の
赤ちゃんの「死」に
ショックで
声が出なくなっていた
父親は
復元後の娘の姿に
大声で泣いたという。


「やっと泣けた・・・」と。


深い深い
悲しみの中に
家族の思い出があり
ぬくもりがある。


「それを確かめることができれば、悲しみは、やがて生きる勇気に変わっていきます」と
笹原さんは
語ります。


人間を
取り戻す・・・
その人を
取り戻す・・・
故人との思い出を
取り戻す・・・


復元ボランティアの
日々をつづった
『おもかげ復元師』（ポプラ社）が
出版されている
そうです。